腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症と診断されました
Q、進行を抑えるためには何をした方が良いですか?
42歳男性 腰の痛みや、脚のしびれを感じ、整形外科を受診したところ、【腰部脊柱管狭窄症】と診断されました
できれば手術は避けたいのですが、進行を抑える方法があれば、教えてください
A、進行を抑えられる方法があります
重いものを持ち上げたりなどの過度な運動は避けつつ、腹筋や背筋、骨盤周りの筋肉を鍛えると
背骨への負担が軽減し、進行を抑えられます
藤枝駅前クリニック 院長 山﨑隆志
背骨の中には、骨や靭帯、椎間板に囲まれた脊柱管と呼ばれる空間があり、そこに神経が通っています。
日常的な背骨への負荷により、加齢に伴い徐々に骨や靭帯は厚くなり、椎間板が膨らみます。
それにより脊柱管が狭くなり、神経が周囲から圧迫される状況に陥ります。

これを【脊柱管狭窄症】といい、頸部や背部でも起こりますが、腰部で起こる頻度が高く、これを【腰部脊柱管狭窄症】といいます。
腰の病気ですが、腰部の神経は下肢に向かうので、症状は主に下肢に出現します。
腰の神経の多くは坐骨神経につながっており、脊柱管狭窄症の初期には坐骨神経痛や下肢のしびれが生じます。
病気が進むと下肢の筋力低下や感覚障害が出現します。
さらに悪化すると、馬尾神経症候群と呼ばれる、陰部や肛門周囲の異常感覚、尿漏れなどが起こります。
脊柱管は立っているときや、歩いたりするときに狭窄が強くなり、症状が悪化します。
著しい筋力低下や馬尾神経症候群は神経ダメージが深刻なため、手術をした方が良いとされています。
ご相談者は腰痛と下肢のしびれが主な症状ですので、脊柱管狭窄症としては初期であり、
すぐに手術が必要な状況ではないと考えられます。
腰部脊柱管狭窄症の病態は物理的な神経圧迫ですので、根本的な治療は手術での神経圧迫を解消することです。
しかし神経は圧迫されていても血流が維持されていれば痛みや筋力低下などの症状が出ないため、初期は手術以外の治療も有効です。
神経内の毛細血管の血流を維持、増加させる薬(経口薬、注射)で症状が改善します。
また、脊柱管は腰をわずかに前かがみにすることで狭窄が軽減されるので、歩行時に少し前かがみで歩くと症状が出にくくなります。
長期に狭窄を進行させないためには、背骨への力学的ストレスを減弱させることが重要です。
重量物の挙上や過度な運動を避けつつ、腹筋や背骨、骨盤周りの筋肉を鍛えると、背骨への負担が軽減するので、
脊柱管狭窄の進行が抑えられます。
腰部脊柱管狭窄症は進行すると手術が必要になりますが、初期の段階で前述のような対処をすれば、進行することは少なく、
坐骨神経痛は改善することが多いです。



